にんむかいし。

2/12
前へ
/22ページ
次へ
時は過ぎ、学校は昼休みで賑わっていた。 騒がしい教室の引き戸を開く。 『ぁよん』 「おはよー。……じゃねぇよボケ!今更登校かこの遅刻魔!お前マラソンサボりたかっただけでしょ!」 『女の子がそんなはしたない言葉を使うんじゃねぇ!』 「自分で言っといて早速言葉使い悪いですねー和希」 『あ"ー眠たい。5時限目何ー?』 「眠たいって……選択教科だよ」 『あー……橋田はどっちだっけ』 「美術」 『じゃああたしは音楽か』 「忘れてたのか!」 『正直高校はどうでも良い。金。バイト命』 「金の亡者め」 『仕方無いでしょ、生活費稼がなきゃだからよ』 「あー、そいえば和希親が……2人とも、だっけ。ごめん」 『いーよ。もう慣れたから。まぁ親は子より先に死ぬものだから』 実は片方生きてっけどね。 「ねぇ……一個聞かして」 クラスメートの橋田が言った質問は私の動きを止めた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加