~第1章~ 妄想機械

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「あー、入学式の日にも言いましたが、明日このクラスに転校生が来ます」 ・・・・・ 一瞬、息がつまるほどの静寂。そして、クラス中のテンションが最高潮に達する。 そうそう、さっき俺のいった魔法の言葉とは、このことですよ。決して俺方面での魔法の意味ではありません。ですので、いきなりクラスメイト全員が固まったりすることはありません。その辺の現実は知ってます。はい、そこ!うそだぁ!?って顔しない! 「えー、あまり期待はしない方がいいですよ」 と担任。聞いてる奴なんかいない。が、 「そうそう、隣のクラスも来ますよ?転校生。どうやら双子のようでしてねぇ」 臨界点突破!! 何故だろう…静かにしろ、などは聞こえてないのに転校生がもう1人来る、ってのは聞こえてるようです。不思議だねぇ。 担任もお手上げ状態。解放されたいがために一言。 「では、これでホームルームを終わります」 俺の予想、虎井と麗堂が俺のとこに転校生の妄…予想はどうだと聞いてくるな。 やはりいつもの2人が俺のもとに。そして予想通り、 「どうだ?転校生の予想を聞かしてくれよ。なんならそっから妄想に繋げても構わねぇぜ」 「そうだな…イヤミなほどいい顔…スポーツ万能、みたいな感じ爽やかな奴だな。顔に合ったいい性格してそうだな。」 「俺らの敵になることは?」 不安気味に麗堂が聞いてくる。 「それはないだろう」(だが、何か嫌な予感がする…いや、言わない方がよさそうだ)と、顔に出そうなとこを押さえる。 「…ならいい」 ここで一つ言っておこう。妄想機械と言われるようになったのは、俺の予想が十中八九当たるからだ。最初の頃は預言者とか予想神とか言われていたが、俺の現実逃避を妄想と言い出されたのがきっかけで妄想機械と言われるようになった。妄想マシーンは神の落とし物だ!と叫ばれたがあまり利用されないのはそのネーミングが原因だろう。ま、人だかりができるよりよっぽどましだ。 「でもよ、そいつがニコニコした爽やかスマイル超能力者だったら?」 とガッツポーズ。 「「アニメの見過ぎだ!」」 「そりゃねぇよw」 と、校内でたむろしてると時間がとてつもなく無駄なので、とりあえず門を出た。
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