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「じゃあな」
「おう」
「あぁ」
と、別れを告げ、それぞれの家路につく。今日は何故か虎井の家に行く気になれなかった。そして、家に入ろうとドアノブに手をかけたその時、
「っ!!…ぁ……は…」
頭にいろいろ流れ込み、ひどいめまいと立ち眩みがし、声すら出ない叫びと共に崩れかけた。だが、
(……さい…本当は…なこと…たくないけ……ないとあ………けではな………………ごめん…い…)
「だ…誰だっ!?」
…………
振り返るが、誰もいない。
「気のせいか…だが、左目が…」
痛い。というより、疼く…(とりあえず洗えばなんとかなるかも…しれん)と、洗面所へ。
時間がたてば痛みはおさまったが、違和感が拭いきれない。鏡をよく見るも、異常らしい異常は見つからない。そこへ妹がきて、
「…何してんの?」
「何もっ!」
「じゃあなんで目を見開いて…すごい顔よ?」
「あっ…」
目が痛いのと、わけの分からん声のせいでイライラし、気がつくと凄い形相で鏡との距離が1,5センチといったところだろう。近かい。
「いや、目にゴミが入ったようで、な」
「ふぅん…まぁ、いいわ。ちょっといい?使いたいんだけど」
「あぁ、わりぃ」
と、仕方なく自分の部屋へ。
寝ようとも考えたがさっきの声のことが気になり、何も出来なかった。
(何だったんだ…?)
いろいろ考えた。考え過ぎてベットから落ち、頭を打ち付けた。
「っつぁ!」
「ばーか」
と、隣から聞こえて来た。
「うるせぇ!」
「静かにしてて」
「は?なんでだ…いや…」
「………」
そうしてしばらく考えている間に、外は明るくなっていた。しかし、気づかずに……
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