Memorial～夏の思い出～

プロローグ

2010年8月17日、一人の少年がこの世を去った。
彼の名前は谷口広。
県内の高校に通う17歳。
死因はナイフで何度も刺された事による出血死。
現場となった図書館は今でも閉鎖されたままとなっている。

そして彼を殺した犯人は同県内に通う大学生、日野恵(20)

警察の調べでは、犯人と被害者は『親しい仲』。
テレビでは別れ話での犯行、計画的犯行、殺意を持っての行動だったと憶測ばかりが飛び交う。
肝心の犯人は事件について一切口を開いておらず、世間はより一層話を掻き立てる。

全国が注目するこの事件の全容を知るもう一人の人物に、俺は今から会いに行く……。