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太陽が沈みかかり、どこかで終業を知らせる鐘がなり響くと、日番谷は中庭にいる松本の元へと急いで向かった。
木陰で眠っている松本を見つけると日番谷はため息をついた。
「まったく……。おい、松本。起きろ」
声をかけただけでは起きる気配はなく、仕方がないので、日番谷はしゃがんで松本をゆすった。
「こんな所で寝てると風邪引くぞ」
「うぅーん。
……あ、隊長。おはようございます」
松本はまだ半分眠っているのか、頭が動いていないためその場から動かない。
まだ、座り込んだままでいるので、日番谷は顔を近付けてキスをした。
そっと唇を合わせるのではなく、舌をいれる濃いキスを。
「……っん……ふぅっ!」
「起きたか。で、ここで何してたんだ?」
「た、隊長。あ、いや。その……」
松本はしどろもどろになる。
(言えるわけないじゃない。隊長に会いたかったなんて)
松本はどう誤魔化そうか考えるが、日番谷には見抜かれていた。
「松本。そんなに俺に会いたかったのか?」
「えっ、いや……」
途端に図星をつかれた松本の顔が真っ赤になる。
「飯でも誘おうかと思ったが、違ったんならやめとくか」
「行きたいです!」
松本はしゃきっと立ち上がった。
「そういう時の返事は早いんだな」
日番谷は呆れた。
「あはは。まあ、いいじゃないですか。行きましょ」
松本はさあさあと日番谷の背中を押してその場から移動した。
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