恋しくて

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 一方、その頃松本はというと、 「るんるん♪」 一人、ご機嫌で街中を歩いていた。 久しぶりにとれた休みを堪能しようと、ショッピングや食事を楽しんでいた。 が、向こうから現われた人物を見て、顔をしかめた。 向こうは松本に気付くと、すぐに声をかけてきた。 「やぁ、乱菊」 「ギン……」 松本は厳しい表情を浮かべた。 「今日は一人なん?」 「そういうギンこそ、めずらしいじゃない。副官もつけずに歩いているなんて」 「今日はオフやねん。乱菊もやろ?」 「んーさっきまでそうだったけど、用事が出来たから」 そう言って松本はすぐにその場を離れようとしたが、市丸に腕を捕まれてしまった。 「何?」 松本の声は冷たい。 「ええやん。たまには一緒に遊ぼうな」 「丁重にお断わりします」 松本は市丸の腕を振りほどくと足早にその場を後にした。
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