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世界の終わりに産まれた僕は
壊れていく事しか知らなかった
昨日いた人はもう焦げてたし、
明日産まれるはずの人は
産まれなかった
僕の右手だって人を殺せたのに
いつだって人は
鉄の塊で肉を撃ち抜いた
倒れていく人に意味はなく、
それからは知る必要が無かった
瓦礫の下に、
小さな恋を見つけた
もう消えかかっていて
淡い光だったけれど、
惹かれてしまった
名前も知らない街なのに
カラカラの喉で
銃痕の街を歩き、
疲れたら恋をした
薄桃色の温度は
僕を空白へ連れ去った
世界の終わりみたいだった
そこで生きる意味や価値、
死んでいく怖さを知って、
光は散ってしまった
空白が埋まった時、
世界は黒い空白だった
何も無いのに重い
世界の端っこに産まれた僕は
要らないものばかり知っていく
それでも世界が閉まる時は
それで良かったと思えた
僕らは無駄に綺麗だった
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