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仄暗い、君の夢の下で
僕は息継ぎもせずに
声を上げて笑ってた
滴る汗に音が跳ねる度、
僕は切なく笑って、
君は無邪気に笑った
泣いていたのかもしれないと
気付いてしまった時、
その羊水からは
出られないのだと知り、
君を愛した
世界が佳境を迎えた頃、
僕にも羽根が生えた
まだ小さなそれは
涙を拭うことしか出来ず、
世界の終わりが近いかのように
流水的な哀しみに、悶えた
僕らが生まれてから
時間が流れたと思った事は、
一度もない
同じ模様の世界の上に
投げ出された古い駒として
数千年存在し、
その後、君を愛した
流れる水は蟠りのように
僕のスニーカーに入りこんで、
夢みたく気持ちが悪い
生きているということが
こんなにも無限の秒の連なりとは
君に出会って知ったよ
仄暗い、君の夢の下で
かつて君を愛したように
今、その時を待っている
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