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「だけど、すぐに攻撃してこないのを見ると、鈴華ちゃんは慎重か、もしくは明日香ちゃんを泳がせて、頃合いを見て行動を起こすかもね」
確かに今泉から聞いた話では、しばらくは監視をするみたいな事を言っていたな。
「さて、明日香ちゃん、危ない話はここまでにして、ケーキはいつ作ってくれるのかな?」
絵瑠から情報を聞き出すために使ったケーキ(作れるのはホットケーキ)の話題がいきなりキター。
「えっとですねぇ、今度家に来たときでも……」
「じゃあじゃあ、今日行ってもいい?」
昨日の今日でまた我が家に乱入するのかこの人は……。
「えっと、今日は~」
「いいよね?」
いいよね? と問う絵瑠を見たら、妙なリモコンを持っていて、如何にも危険極まりないボタンに手が伸びていた。
断れない……俺はコクンと頷いてしまった。
「わーい、早速泊まる準備をしなくちゃ」
また、泊まるのかこの人。
「あの、また泊まるんですか?」
「そうだよ、明日香ちゃんは、あたしが補導されてもいいの?」
「いや、それは……」
「それじゃ、決まりだね」
また、強引に事が進められてしまった。
「それにね、あたし、ホットケーキ大好きなんだよね!」
絵瑠は、ニコっととびきりの笑顔を見せた。
……やっはり、読心術もマスターしてんだろう! 俺は思った。
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