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三人はこの学校に伝わる噂を音楽室にたどり着くまで、大げさな部分がありながらも話してくれました。
本当はこの学校が作られた時にはあの壁は無く、階段がありました。
一階から二階へ、更に上の三階にまで通じてたそうです。
けれど、ある夜に生徒が一人、その階段を一階から二階へ行こうとした時に、階段を上っている途中で何かに足を掴まれました。
何がその人の足を掴んだのかというと
血まみれになった人の手だというのです。
気付けば壁や手すりからも手が生えて、その人を捕まえようとするのです。
その人は夢中で一階に走って手から逃れることができたそうです。
その後も夜にその階段を上ろうとすると赤い手が出てくるらしく、それで学校側が対策として階段を壁で塞いだというのです。
壁についての話はここまでです。
ではなぜ赤い手が出てくるのか。
この学校の敷地は昔、病院があったり墓場があったりとかで…だからそんなことが起きるというのです。
私には信じられません。
霊の仕業だとか怖い噂だとか。
だってそんなことよりも
なぜ私が噂を聞く前にそこに階段があるのをわかっているのか。
それが不思議でなりませんでした。
まるで…小学校の二階みたいに。
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