-2…01

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階段を一段、二段…六段上がってから三年生の女の子が言った。 「行けるよ。ほら…」 「だって、先生が行っちゃダメだって…」 そんなことない。 今までだって何度も… ジャリン 体に何か引っかかった。 前に行けない。 私を止めているのは重たそうな鎖。 それが二階に行けないように、一本、壁と壁の間を繋いでいた。 そしてそこに木の板が一枚。 先生の文字で書かれていた。 『二階に行っては行けません』 「何?これ…」 「ずっと前に事故があったから行けないんだよ?」 「事故?」 「うん。お母さんが子供だった時からだって。京子ちゃん、こっちに行こうよ!」 振り返って女の子を見ると、嘘をついてるとかそんなことは言っていない顔だった。 「さんじゅうはち、さんじゅうく…」 「ね、早く」 笑って言うその子に私はとりあえずついて行くことにした。 階段を下りて、もう一度あの板を見た。 変わらない。 そこにずっとあるみたいに。
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