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市木は封筒から丁寧に折られた紙を取りだし、黙読し始めた。
「ふーん……よし、ここで良いか。」
市木はそう言うと手紙を封筒に入れ直し、直江を見た。
直江は何か気にかかることがあるような顔をしている。
「どうかした?」
気になった市木は直江に聞いた。
「あっ、いえ失礼なのは承知しているのですが、書類の下に隠している物が気になったので。」
それを聞いた市木は驚いた顔をして書類を除けた。
除けられた書類の置いてあった所には、小型テレビが残っている。
「バレてたんだ。」
「はい…これはドラえもんですか。」
直江は小型テレビの画面を見ながら言った。
「うん、毎年見てるんだよ。別に良いだろ」
市木は笑いながら言った。
「はい、問題ありません。」
と言いつつ小型テレビの電源を切った。
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