押し寄せる憂鬱

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「母親といつもの」   私はため息まじりに簡潔に答えた。   「あぁ、そうか……お義母さんも中々大変だなぁ」   いつもの、で状況が呑み込めたのかありきたりな台詞を言って我関せず、の姿勢を見せ、話をすぐに切り替えた。   「ところでみーこ、具合でも悪いのか?」   「んー……、微熱っぽいかなぁ。朝から具合悪くて。今晩のご飯惣菜にしたからごめんね」   「それは気にしなくていいけど、大丈夫か?目の下のくまもすごいし寝不足もあるんじゃない?もう今日はこのまま休んでいいよ」   「うん……」   そんなに睡眠不足になった気もないけど確かに疲労感は徹夜した位にあった。   「じゃあ、言葉に甘える」   俊輔は額に手をやると「やっぱり少し熱あるなぁ」と小さくつぶやき、心配そうに見つめながら「おやすみ」とキスをした。彼の唇は冷たくて、とても気持ちがいい。   唇の温もりが一緒になるまでキスを続け、彼は寝室を後にした。結婚してから彼に対して恋愛感情を沸き上がらせることは少なくなっていたが、少し愛しさが込み上げてくる。気分に酔いしれるかのように目を閉じると   「美貴子!!」   次の瞬間には心配そうに見つめるアレクの顔が目の前に飛び込んだ。すぐに眠ってしまったのだろうか。嬉しい、というよりさっきまでの気分がいきなり遮断されたみたいでとまどってしまった。彼は私を抱きあげると   「大丈夫かい?少し前からずっとうなされていたんだよ!」   と、声を荒げてきつくきつく抱き締めた。
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