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「シンデレラよ、シンデレラ」
「灰に塗れた汚い娘」
「誰が為に涙を流す」
「何の為に口を噤む」
「許されるべき幸せよ、どうか我らの可愛い少女に」
彼女の為に、今日も小鳥達が、鼠達が。
小さく悲しいアイロニーを唄う。
人には分からぬ言葉も、僕には届いて胸を締め付けた。
みな理不尽を解っているのだ。
分からぬのは愚かしい少女だけ。
継母の平手にも、姉上の足蹴にも慣れてしまった馬鹿な彼女。
「おお、シンデレラよシンデレラ!」
僕にはどうする事も出来ないよ。
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