12人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
『まぁ、9割方、死んでるがな。良く聞け、つばき。』
『なんで…あたし名前?』
急にあたしの名前を呼ぶからびっくりした。
『死に神だと言っただろう?死に神とは【死】を司る神。分からぬものなど無い。1998年2月14日生まれ、月見里つばき(やまなし つばき)9歳。今日、お前は、死んだ。』
死んだ…。
『…って!やっぱりあたし死んだんじゃない!!死に神さんのうそつき!!』
あたしの大きな声に死に神さんは一瞬、びっくりしたように眼を開けてあたしを見た。けど、すぐ、やれやれっと言う風に両眼を閉じて、ため息をついた。
『よく聞けと言っただろう?それとも、もういいか?話し聞かずにこのまま死ぬか?』
死に神さんの眼が本気だった。あたしは危険を察知して、首をぶんぶんっと横に大きく振って、よく聞く姿勢を態度で表すために正座して死に神さんの前に座り直した。
『ふん。それでいい。まぁ、聞け。お前が死んだのは、こちらの手違いだ。』
手違い?って…間違いって…こと?
『人の命は【死界】が管理している。【生】と言う蝋燭があり、蝋燭の火が消えるとき、人は死ぬ。まぁ、その【生の火】を管理している骨どもがいるんだが…隣の火を吹き消そうとして…間違って…。』
『あたしの火も…消しちゃった?』
あたしの言葉に死に神さんは片眼でチラッとあたしを見た後、眼を閉じて深く頷いた。
そんな…間違いで死んじゃったなんて…。あんまり突然すぎて、何だかわかんない。悲しいよりもびっくりが大きくて泪も出ない。それに…
『で、だ!お前の死は予定外。全てこちらのミスだ。しかし、一度消した火を再び灯すことはタブー。故に新しい火を灯すことは出来ない。管轄も違うしな。だからと言ってお前をこのまま【神界】に上がらすのはこちらも心苦しい。』
『じゃぁ…どうするの?』
最初のコメントを投稿しよう!