1.美しい少女

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顔も名前も、存在すら知らなかった。     そんな彼女にここまで惹かれたのは、どうしてだろう。       彼女の儚い美しさが、時折見せる寂しそうな仕草が、僕にだけ見せる笑顔が。   僕の心を、今でも捉えて離さない。     静の存在を知ったのは、高校2年の夏だった。       友達の家で散々騒いだ挙句、門限ギリギリの家路を急いでいた龍太郎は、川沿いに立つ人影に気がついた。
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