序章

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  ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク!!!?   あのあと織音にお気に入りのイチゴのタオルは奪われちゃうし、結局遅刻は確定だし、シャワーでは火傷しそうになるし、髪型はきまらないし。   「もぅなんて最悪な一日の始まりなの。こうなったら午後から行ってやる」   ムカムカしながら朝食を食べにリビングに向うとテーブルの上には置手紙と朝食が置いてあった。   『不快なモノみせて悪かったな。これでも食って機嫌なおせょ』   先に出かけてしまった織音が作ってくれてたみたいだ。 今日の朝食はラタトゥイユとカリカリベーコンに野菜スープ、焼きたてクロワッサン。それに織音が家に来て二日目に作っていたバターと苺ジャム。     「いただきます」     カチャカチャ   「うん…美味しい。」     あんな図々しい織音だけどちゃんと家のペースに合わせてくれてるのは知ってる。 本人は隠してるつもりだろうけど。   織音は朝食は和食派みたいだけど家が朝食は洋食派だからって知ってすぐにバターと苺ジャムを作ってくれたのも知ってる。   それに織音が来るまでは料理は家政婦さんが作ってくれてたけど、織音のおかげで頼む必要がなくなった。 それからは料理は織音、掃除洗濯は私、買い物は当番せいになった。     「織音は悪くないよ。」     でも私の生活は織音が来てからたった1週間で激変した。     「ママが生きてたらパパを許してたのかな?」   写真のママは笑ってた。    
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