プロローグ

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月の光りさえも滑稽に思える程の闇の中。 少女は何もない山道を駆けていた。少女の目的はただ一つ、 ……復讐。 自分の全てを奪った呪われし血族への復讐である。 その血族を根絶やしに出来るのであれば、何をも厭わない。 例えそれが女だろうが子供だろうが…少女には関係なかった。 奴らを抹殺しつくせれば、自分の命さえ捨てる覚悟があった。 それほどに少女の追っているものは強大なのである。 少女は冷淡な瞳をすぐ前を走る女に向け、手に持っていた奇妙な紋様の入った武器を構えた。 暗過ぎる闇にその剣の紋様は異様な輝きを見せている。 少女は何を想うのか簡単な動作でその剣を振るう。 シュッ――   その一撃が目の前を走る女の身体を切り裂いた。
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