13959人が本棚に入れています
本棚に追加
月の光りさえも滑稽に思える程の闇の中。
少女は何もない山道を駆けていた。少女の目的はただ一つ、
……復讐。
自分の全てを奪った呪われし血族への復讐である。
その血族を根絶やしに出来るのであれば、何をも厭わない。
例えそれが女だろうが子供だろうが…少女には関係なかった。
奴らを抹殺しつくせれば、自分の命さえ捨てる覚悟があった。
それほどに少女の追っているものは強大なのである。
少女は冷淡な瞳をすぐ前を走る女に向け、手に持っていた奇妙な紋様の入った武器を構えた。
暗過ぎる闇にその剣の紋様は異様な輝きを見せている。
少女は何を想うのか簡単な動作でその剣を振るう。
シュッ――
その一撃が目の前を走る女の身体を切り裂いた。
最初のコメントを投稿しよう!