13959人が本棚に入れています
本棚に追加
少女は目を閉じる。
次の瞬間に訪れる光景から目を反らすように。
少女はこうやって自らの運命を呪いながら生きてきたのだ。
その時――、
完全に力を失ったかと思われた女がその体を素早くひねった。
その横、剣はわずか数㍉の差で大地をえぐった。
少女の顔に初めて表情が現る。
焦りと、そして少しホッとしたような表情だった。
少女は急いで剣を構え振り上げようとするが、女はそのスキを見逃さなかった。
ゴフッ…。
鈍い音が響く。
女の渾身の体当たりが少女の腹の当たりに決まったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!