907人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうかな」
「ねえねえ鈴原、やってもいい?」
「いんじゃない?」
マリアは、意味がわからなかった。男はマリアに近寄ってくる。マリアの両腕をつかみ、床に倒し、マリアは身動きがとれなくなった。
「せいちゃん!」
セイは立ち上がり、タンスの方に行き、何か探しているようであった。マリアが叫び続けるのを、まるで聞こえていなく、まったくの他人のように無関心であった。マリアの抵抗もむなしく、男におさえつけられた腕はびくともしなかった。
「せいちゃん!助けて!せいちゃん!」
マリアはもがきながらセイの方になんとか目をやると、セイは自分の腕に、注射器を刺し、快楽の表情を浮かべていた。その目は、人間のものとは思えなかった。
「せいちゃん!何やってるの!?せいちゃん!」
「静かにして」
男は、マリアを黙らせるため、マリアの顔をぶん殴った。マリアは驚きのあまり、言葉を失ってしまった。
やがて、新しい男が2、3人、部屋に入ってきた。マリアは、彼らに助けを求めた。
「んーっ、んーっ、んー」
マリアは、男に口を塞がれていたために、喋ることができなかった。すると新しく入ってきた男たちは言った。
「お、女おそってんの!おれも入れて」
『!!』
マリアは、絶望にかられた。マリアは最初は抵抗していたが、4、5人の男の力を前に、マリアがかなうはずもなかったので、マリアは諦め、されるがままになった。セイは注射を打ち続けていた。
事が終わると、男たちは、一服し、今日はなんかしらないけどラッキーだった、などと言った。
『…』
マリアは絶望の中だったが、悔しさも込み上げていた。自分はただの女であり、力もなく弱く、セイを助けることもできない。そう思っていた。
『悔しいよ、悔しいよ、悔しいよ!』
マリアは力ずくでセイを助け出すのは不可能に近いことを悟った。
最初のコメントを投稿しよう!