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男性恐怖症に陥ったはずのマリアは金髪になり、化粧も濃く、一瞬誰だかわからない状態でセイの目の前に現れた。
「だれ」
セイはぼそりとそう言った。彼はそんなマリアを見ても、相変わらず表情も変えずに目線を下に落としたままだった。マリアはポーズをつけて言った。
「まりあちゃんなり。イメチェンしたのらよ」
「そうなんだ。ところで金貸してくれる?」
「またぁーっ。いくらあ?」
「10万」
「10万!高いなりーっ。でもせいタンのためなら、それくらい安いかーっ」
「まじ?ありがと」
「でもいっこ条件あるなりっ」
「条件?」
「あたしを、せいちゃんの彼女にするなりーっ」
「彼女?彼女にしたら貸してくれんの」
「もち。彼女にしてくれたらねーっ」
「…わかった。彼女にするから10万貸して」
「わーい!やったあ!いまから10万用意するから待っててにぇ」
そう言い残してマリアは学校を飛び出した。
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