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最期、とはもう先がないから使うものだ。もう最期、なんだな。
俺はポケットに携帯とガムをいれた。お金はもう必要ないからおいておくとして…あぁ、指輪もはめておこう。大好きなアイツからもらったものだ。
靴を履き玄関に出ると空は紫だった。こんな空初めて見た。初めてが、今日で良かったよ。
最期なら、最期というなら
せめて君のそばに。
俺は走った
たくさんの人とぶつかった
泣いている人
狂ったように笑う人
今までの生き方を嘆く人
人間がしてきた過ちを責める人
子供を探す人
親を探す人
多種多様の人が
もう少ししたら消える
大きな地割れとともに
地球の裏側に投げ出され
マグマに溶けてしまう
もしくは窒息死だ
俺は走った
アイツが家にいる事を願って
アイツの家につくと玄関からソイツは出て来た
「……ユラ」
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