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白いソファに
モフッと体を沈み込ます
ガラステーブルに置かれた
二つで対の淡いピンクの
カップに手をかけ
淡く揺らめきながら
消えていく紅茶の湯気を
そっと口許で
吸い込めば
リンゴの良い香りが
フワッとひろがり
自然と微笑んでしまう
一人悠々と
ソファを独占しながら
ゴロンとしたら
指一本入る
裂け目を発見
こないだの喧嘩かな?
私たちなら大丈夫
そんな風に思ってたのに
イロイロ難しいこともあって
当たり前なのに我慢できなくて
近くにずっと居てくれる
そんな誓いも
淡く霞んだように
二人で選んだモノを
平気で傷つける
なんだか
急に寂しくなって
傍の柔らかいクッションを
潰れるぐらいに
ギュッと抱いてみる
白い白い
まだ汚れも知らない
そのソファの傷を
そっと撫でて
リンゴの淡い香と一緒に
飲み干した
二人でいると
辛いこともあって
知りたくないこともあって
でも……
一人きりの寂しさを
温かく埋めれるのも
二人であって
早く帰って来て欲しいと
ほんとに想う程に
少し胸が苦しくなった
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