1アーサー王と保護者

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「アーサー、貴方にコレが抜けますか?」  アーサーはその言葉に狼狽えるしかなかった。  敵国の進撃を受け耐える日々の中で父は言った。「この丘に行け」と。行ってみたら、そこには腹部を剣に貫かれている母の姿があった。  衝撃的、鮮烈でいて懐かしい姿が今のアーサーの眼には映っていた。 「母さん……」 「ビックリした? ふふふ」 「父さんが行けって言ったんだ。この丘に」  何か見てはいけないものを見てしまった心境で、ついアーサーは早口になってしまう。息子のそんな心境を悟ったのか、母は優しい表情をその顔に浮かべた。 「そ、そうだ!!」  母の優しさに、アーサーの波だった心も落ち着きを見せる。 「母さん、こんなところで何やってるんだよ!? 半年以上も城から居なくなって……みんなどれだけ心配したと思ってるんだ」 「ごめんね、アーサー。でも、最低でも半年経たないと意味が無かったのよ」  風が、母の長い髪を膨らませる。丘の下に生えた草原が、風見鶏みたくその体を倒して風の方向を教えてくれる。  平和な風景に、不思議なくらい母と剣は馴染んでいた。 「意味?」 「そう。意味。私がここでこの剣と一緒にいる意味よ」
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