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ページをめくれば、泣きっ面で壱成に舌を出す那衣と、笑いながら那衣を宥める壱成、その2人に挟まれてチビが一層際立ってる俺が写ってる……
小学校最後の運動会は負けた。最後の運動会で唯一、幼馴染み3人が映った写真はそれ1枚。
「……この人も……結構、一緒に写ってるよね……ここも……ここにも……」
「ソイツも幼馴染みだから」
「この人も徳峰に?」
「いや、海外に引っ越したんだ。今、何やってるのか……何も分からねぇ」
「……ふぅん……」
幼馴染みだからって那衣ほど一緒にいたわけじゃない。親友どころか、友達……だったのかも、俺と壱成の関係は怪しい。
ただ、壱成と那衣は幼馴染みらしかった。容姿から目立つ2人。体育で競いあったり、テストで競いあったり、ケンカするほど仲がいい……周りからは絶対そう思われてた。でも、実際は見えない一線を引かれてて、壱成は相手が那衣でも心を閉ざしてた。
バカだよな。昔から相手の家庭環境なんて知ってるのに、俺や那衣の前でも笑って見せてさ……
「なんかワケ有りみたいだね」
「那衣の周りにワケ有りの奴なんて大勢いるよ。次のページなんて更にヒッドイぜ」
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