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並んで座っても、俺と那衣の座高は対して変わらない。けど、それはコイツの脚が長いからであって、立つと若干、那衣の方が高い。
俺が生まれた時には既に那衣は生まれてて、それから16年間、身長で那衣を越えたことってない。
ハイハイも、立って歩いたのも、喋ったのも、自転車に乗れたのも、高校が内定したのだって、みんな那衣が先だった。
一時は隣に並ぶのだってイヤだったけど、今もこうして昼食を一緒に食べてるあたり……キライにはなれねぇし、これが幼馴染みなんだなって思う。
「お前、クラスの連中と一緒に食べなくていいの?」
「ダイエットしてる女の子が多い中、焼き肉弁当は食えないよ。それに、聞いて! うちのクラス、女子同士で対抗意識メラメラ燃えちゃって……褒め合いの、けなし合い。あんな中に絶対入りたくない! 進路、間違えたかな~」
「……まだ3日目じゃん。泣き言言うには早すぎるぞ」
弁当を食べ終わった那衣は、ゴロンとベンチの上に横たわった。俺の太ももを枕にして。
見た目が性別不詳のクセにこういう事を平気でする奴だから、何度、俺にホモ疑惑がかけられたか分からねぇ……
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