★2章★父親

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★2章★父親

私の父親は、その頃 自営業でイラストレ-タ-をしていた‥真面目で、頑固で主春期の頃から、父親の存在が うっとうしくて仕方なくて‥ほかの親はみんな 外で働いて、夜帰ってくるのに、なぜ私の父親だけ 毎日のように家にいるのだろう‥締切りが近付くと イライラして、意味もなく 私達子供に八つ当たりしてきて‥父親が本当に嫌いだった‥ そんな、真面目と言う言葉の見本みたいな父親が、変わっていく 私を見て黙っているわけがなかった‥毎日のように 殴られ蹴られ‥ある日 二回目の窃盗で、警察に捕まり、母は大泣きし お願いだから家族を壊さないでと言われ、父親はその日の夜‥包丁を戸棚から取り出し、その包丁を私に向けて‥これ以上世間に迷惑かけられない、お前を殺したあと 俺も死ぬから‥と言い 父の顔を見ると 涙で濡れていた‥それが はじめて 見た父の涙だった‥ 私はとっさに本気で殺されると思い、家を飛び出した 何も持たずに裸足で飛び出した‥
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