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「大輝。ご飯よ」
太陽の激しい光りがカーテンの隙間から射し込む。セミの声も聞こえてくる。
俺は頭を掻きながらリビングに向かった。
「おはよう大輝。昨日言ってた葉書、テーブルの上に置いたわよ」
母さんの頬辺りがちょっと腫れていた。
「ありがと」
俺は椅子に座り目玉焼きを食べた。
「大輝。昨日ごめんね」
俺は何事もなかったように言った。
「えっ?何が?ご飯食べ終わった後すぐ寝ちゃったから、わからないな」
嘘をつく。
「そう……けどごめんね」
俺は目玉焼きをすぐ食べ、台所にお皿を置いた。生ゴミを見てみると唐揚げの残骸が捨ててあった。
俺は苛立った。こんなに美味しいのも何故食べないんだ。浮気相手の手料理を食べて笑顔にする親父を想像すると余計に腹立つ。
俺は学校の仕度をして家を出た。
「行ってきます」
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