第一部~勇者の道~

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気が付くと朝になっていた。枕元を見てみると涙の染みが広がっている。 「大輝。ご飯よ!」 俺は目を擦りながらリビングに向かった。 「おはよう。大輝」 母さんの顔は前よりも腫れている。 「母さん……」 「何?」 「いや。何でもない」 俺は母さんの腫れた顔を見るだけで腹が立つ。親父を殴りたかった。だけどそんな勇気、俺には持ってなかった。 俺は椅子に座りパンにジャムを乱暴に付け食べた。 母さんは、俺の目の前では絶対泣かなかった。
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