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え? 何これ? 何で俺の手が女性の胸部…つまり真緒の胸に置いてあるの?
何だよこの嬉し恥ずかしイベントは。
手に収まりきれない程真緒のはでかい……つーか柔らかい…。
「柔らか、って違う!」
「んあっ。も…もっと優しく……して…?」
おいおいおいおい!!
俺はただこの状況を脱出しようとしただけだ! 別にもっと味わいたい訳じゃ……
ムニュ
「ぁんっ」
「……煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退―――」
ああ……なぜだか、とてつもなく時間が長い気がする。これじゃあ時を止める呪文も思わず真っ青だな。
呪文を唱えながら根気で抜け出した俺は一目散に玄関へと走る。
「ま…待って! 外に出たら危ないよ!」
「お前は俺の母親か。俺は心配される歳じゃねえよ」
そうだ。家には兄を本心で心配する妹が待っている。この力なくして帰れるものか。
真緒の忠告をさらりと流し、靴の踵を踏まないよう履いたらドアを開き一気に駆け出す。
奴隷が初めて自由を獲得した気分だよ。複雑か? それは仕方ないさ。
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