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『どうしたの…? お兄さま? ねぇ…返事を―――』
伊咲がそこまで喋っている時、俺は通話を切った。
「おい、聞いているのか? お前は楼滝陽介なのか答えろ」
随分上から目線で話かける不審者だな…というより変質者か? 急に声をかけやがって。
だがこの声はなぜか聞き覚えがあるような……つい最近……。
「聞いているのか? 人と話す時は顔を見て話すものだこの下朗が」
あれ? いつの間にか名前からランクダウンしてないか?
あまりにもしつこいので仕方がなく振り替えって見る。
「やはりお前だったか下朗。ようやく見つけたぞ」
……俺は見つけられたくなかったけどな畜生。
「何か用ですか? えーと…変し―――小百合さん?」
「何か酷い言われをされたような……まあいい。
用があるから話しかけてきたに決まっているだろう。それくらいも分からんのか?」
分かりたくねえよこの野郎。……その前に今一番聞きたい事が一つ。
「……何でメイド服のまんまなんだ?」
「……諸事情だ」
あーさいですか。
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