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「そして私の名前は小百合ではない。あれは偽名だ」
「それじゃあ、何だよ?」
最もな意見を出すと小百合(仮)は口元をニヤリと引きつらせた。
「今から死ぬ者に言うと思うか?」
「……そうですね」
やっぱり俺って狙われる運命な訳?
異議ありまりくりだぞこれはよ。
考えても無駄なので俺は逃げる事にした。というより、逃げる事しかできない。
どうせこいつも殺し屋、とか何とかだろう。
武器を持っているかもしれないし素手で勝てる訳がない。第一俺は紳士だからあまり女性には手荒な事はしたくない。
なのでここは例の如く脱兎で危機を免れよう。
「あっ! 見~つっけた!」
「ん? あいつは……」
「…………はぁ」
……どうやら夜はまだまだ続きそうだ。寝不足は勘弁してほしいぜ。
俺を指差す真緒を一瞥し軽くため息をつく。
ちなみに真緒、小百合(仮)、俺の順で言葉を発した。
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