1912人が本棚に入れています
本棚に追加
さて、こうしている内に時間は待ってくれず刻々と時を刻んでいる。
この場合、俺は何をするべきか? 時を止める、なんて非人道な事はできる筈がないのでどうする事もできない。
だったら逃げればいい、と何度も冴えない頭を行使して考えたがたどり着く答えは“無理”の二文字のみ。
以前、真緒は俺を追いかけてきた時の事を思い出す。
ほぼ俺と同じ速さで追いかけてきたのは今でも鳥肌ものだ。おそらくシーラも同じだろう。
…あそこで体育座りをしてのの字を描いているじいさんは知らないがな。
話は戻るが今現在、俺は何もできない状態である。
大声でも出したり己の脚力を信じて全力で逃げる事も可能だが、そんな事をした日には俺、死んでいる事間違いなし。
とりあえず、今は傍観に徹する事しかできないと悟り俺の腹の中に居座る虫を何度宥めた事か、腹をさすって彼女達の漫才を無料で拝観していた。
最初のコメントを投稿しよう!