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「…そういえば親父は?」
「今…お風呂に入ってるよ。久しぶりに帰ってきたから。
さっきまでお母さんとベタベタだったの…」
未だに抱きついている状態の伊咲に話かけながら俺は頷く。
……ふふふ、小さい頃から妹を優しくしていて良かったと思う今日この頃。
「んじゃ着替えてくるかな。伊咲は―――」
「私も行く…!」
「却下!!」
即答する俺。当然だ。何が悲しくて妹に裸体を見せなくてはいかんのだ。
とりあえず伊咲を置いて自室に戻る俺。
後ろで伊咲が何か言っているが気のせいだろう。
俺はさっさと着替えてリビングへと足を動かした。
……少しずつ、本当に少しずつだがこの日から『何か』が動いているのに今の俺は気付く事すら出来なかった。
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