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「やばっ!!」
女の子はがばっと地面に伏せる
色とりどりの玉はマシンガンのように男のいる地帯へとなだれ込んだ
もぅもぅと煙が上がるなか男達はゼィゼィいいながら
「へっ、どうだ。思い知ったか………」
すると煙の中から
「あの………だからこれ返したいだけなんですって」
と声が聞こえてきた
「そんな………あれだけの玉をぶつけられて無傷だと…………?」
男は煙の中から出てくると男達に歩み寄る
「くっ………来るなぁ……!!」
男達は後ずさりながら玉を何度も何度も放つ
「はぁ……はぁ………これだけやればもう…………」
するとまたも煙の中から
「だからぁ、これあなたたちのなんでしょ?返しますって」
「うわ~~!!化け物!!!」
男が更に近寄ると男達は悲鳴をあげて走り去っていった
「化け物って……………ひどいなぁ………」
地面に伏せてそれを見ていた女の子が出てくる
「あんた…………………何者?」
「何者って……………あなたもひどい言い方しますね。傷つきます。それより、はい、コレ」
男はそういってさっきの銃を渡す
「これ、あの人たちいらないみたいだから返します。でもダメですよ。人の物盗っちゃ」
(こいつ、あのぶつかる一瞬でわたしから銃抜き取って…………?しかもさっきの………あれだけやられて無傷なんて…………)
「………………」
「聞いてますか……………?ん?どうしました?僕の顔に何かついてます?」
「…………何でもないわ。」
女の子はそういうと伸びをして座り込んだ
「走ったから疲れた………どっか泊まるとこ探さなきゃ…………あーでも、もう夕方かぁ。取れるかなぁ」
「むー、じゃあ、僕の村来ます?何もないですけど」
(………コランダムに戻っても宿取れるかわかんないし、ここはお願いするか…………さっきのからくりも知りたいしね)
女の子は考えがまとまるとがばっと立ち上がり
「じゃあ、お願いするわ。あなたの村ってフィレントよね?」
「ええ、そうですよ。何もないですけどご飯だけはおいしいんです。案内しますね」
男は慣れた道なのかスタスタと前を歩き始めた
女の子は後に続きながら聞いてない事を思い出した
「ねぇ、あんた名前は?」
男は振り向くと照れくさそうに
「あ、まだ名前言ってませんでしたよね。僕はソーマ。ソーマ・カシィっていいます。よろしく」
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