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なんてこったい
俺よりによってベルトじゃん
腰回りにベルトの入れ墨ってどうよ
しかもへその下に石って…
オシャレにへそピアスを付けて
この夏は友達に差をつけよう!みたいにいい感じに石埋まってりゃあいいけどかなり下の方にうまってる
あっやばい
俺、今一人になったら確実に足首じゃない首にロープ巻いてバンジージャンプしちゃいそう
そんな思いが頭の中に広がり目にいっぱいの涙を貯蓄していたら3人の笑い声が耳に入ってきた
「武あんた最高!私は指だし女王様になればタトゥーの一つくらい何ともないから良かったわ」
涙を流しながら綾ちゃんは言った
当然、俺がため込んでる涙とは種類が違う
このサディストだけはいつか仕返ししてやりたい
突然誰かが肩を叩いた
「まぁ…プッ…がんばれ
………駄目だ…お前……ダッセェな!」
神様どうかこの地面を叩き泣きながら笑ってるバカボンに鉄槌を下したまえ
俺は小5にして初めて神に祈った
仮に神様が居るとするならこんな結果になっていないと言う矛盾なんてこの際関係ない
怒りに震えている俺はもう一つの笑い声に目を向けた
そこには笑うフランケンが
巷の噂では表情筋が死んでると言われてる男なのに
「武クンバカみたいだね」
たまに口を開けばこのフランケン言いやがる
アイアンハートと言われてる俺でも流石にフランケンのセリフにはハートが砕けた
同時に溜め込んだ涙は流れ出し膝から崩れ落ちた
わんわん泣いていると後ろから誰かがやってきた
「やっぱり着けたっちゃね。ざま~みさらせたい」
店主だ!
俺は店主に向かい走って行った
「おっさんコレどういうことだよコラ!」
店主の襟をむんずと掴み持ち上げる
「離さんね、くそガキ」
店主は俺の手首をとり引き剥がそうとする
「説明しろよ!!」
小5のガキでもキレてさえいればおっさんの力なんかで引きはがせなかった
「さっきそこの化け物が俺を殺そうとしたけんたい。だけん、おまえ等に呪いかけたとさ」
俺達は言葉を失った
小5に呪いって言葉はかなり重い
フランケンもあまりのショックに動けなくなってる
「その入れ墨けしたかっちゅうなら善行やれ。良いことやりよれば消えていくっちゃ」
「何やればいいんだよ」
「人助けたい。その石には特別な力あるけんやりやすかはずばい」
特別な力って言葉に俺達はどよめいた
「どんな力があるんだよ」「変身してTVのヒーローみたいになるとよ」
まっ…まじっすか!!
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