変身…名前決めてないわ

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俺は驚いたね 予期せぬスキンシップですよ 呪いの入れ墨が印されてからというものめっきり心の壁を作ってしまった俺 いわゆるATフィールドが厚く覆って人との関係が疎遠になってた 小学校低学年の時だけ一緒のクラスだっただけの奴くらいの疎遠っぷり そんな木枯らしふきさぶ俺の心のドアはオープンザセサミっすよ 母さん僕はエレナちゃんが好きなわけで… ドキドキしていた しばらく走っているとわりに交通量の多い交差点前にさしかかった そんな道なのに信号はない まったく何をやってる日本政府 「エレナちゃん危ないよここ」 さすがに向こう見ずな全速力で交差点に突入してしまったら事故は避けられない エレナちゃんが危険にさらされる 何より俺もやばい エレナちゃんがいることで俺の危険度が増す 危険度ってのは正しくないかな… 「大丈夫だよ!それより遅刻するよ」 俺の心配なんてお構いなし 所詮俺はそんなもんさ 軽く落ち込んだその時、交差点にたどり着いた俺たちの横からトラックが 「キャーッ!!」 エレナちゃんが悲鳴をあげた マジっすか! やっぱりそうなっちゃったのね 俺の体に異変が起こり始める ベルトの入れ墨が見る見る実体化して行き 埋め込まれた石が強く輝きだした そう変身の条件ってのが悲鳴なんだ 悲鳴の音量、長さとかで変身してる時間が変わる今回はなかなか解けないだろう 取りあえず俺は人の目では確認出来ないスピードでエレナちゃんを助けその場を去った 体を縮めていたエレナちゃんは助かった事に気付くと辺りをキョロキョロ見渡す 「武…クン…武クン!」 どうやら心配してくれてるらしいが俺は彼女の前に姿をさらす事が出来ない だって変身後の姿といったら筆舌にし難いダサさ 軽くひく程 しかも世間的には嫌われたヒーローだからね そんな姿で片思いの子の前に行けるわけない しかしこのままじゃ彼女はトラウマを抱えてしまう 俺は携帯電話を取り出しエレナちゃんにメールを送った 「大丈夫だった?俺さっきのトラックに引っかかっちゃって今国道の上なんだ。何とかして学校行くから心配しないで。無傷だから~武~」 メールをみたエレナちゃんは軽くツッコミを入れ笑って立ち上がった。 まぁ彼女が無事で何より しかし困った 変身エネルギーのメーターは半分以上残ってる こりゃ学校遅刻だな
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