はじめに

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~白い手~ 小学校一年生の頃の夏休み中の出来事。ある夜、近所では地元の青年会によるエイサー(沖縄の伝統ある演舞)が行われてました。パレードみたいな感じで、各区間を20~30人くらいで青年会の皆さんが踊りながら周るのですが、それを兄二人と3人で見に行った時の話。 一方通行のせまい道路をエイサーをしながら周って行く青年会を、路駐されてる車の近くで僕らは見てました。 兄二人は一生懸命踊るエイサーをただジッと見ていました。 見飽きてきていた僕はその場を離れようとしたその瞬間!! 両方の足首を捕まれ、コケました。 『あが~!ぬ~やが?!』(痛ぇっ何だよ)と言い、兄二人の内どっちかがふざけてやったんだと起き上がり振り返ったその時、真っ白な二つの手が車の下へ入って行くのが見えました!! すぐに覗き込んだら…そこには何も無く… 夜といってもまだ明るく街灯も近くにあったので、車の下はハッキリして見えました。やっぱり何も無い。 兄二人はというと、エイサーを追っかけて50メートルくらい先に。じゃあ誰が?周りを見渡しても、みんなエイサーを追って、その場には路駐された目の前の白い車以外何も無く、誰もいませんでした。 めちゃめちゃ怖くなり走って兄の元へ向かい今あった出来事を話し、車の周りを探しました。けれど結局、子供一人いなく兄は『や~(お前)ドジだからコケただけじゃない?』と言われ、納得いかないまま家に帰りました。(コケたんなら、あの手は?この両方の足首を捕まれた大きな手の感触はなんだば~?) …次の日…路駐された車がどうしても気になって、その事を話し、近所の友達二人と見に行きました。なんとその路駐していた車の近くには民家があり、そこでは葬儀が行われていました。 それを見て…僕は言いようのない不安を感じました。 それはこれから話す数々の出来事のひとつ。 これから話すシンクロ~同調~にいたるまでの小さな欠片。
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