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幼い僕は悩んでいた…と、いうのも白い手を見て以来やたらと怖がりになっていたから。
だから忘れるように、ただ楽しい事を求めて日々遊ぶ毎日…
でも時々家に一人になることがあり、そんな時は大抵テレビを見るか、オモチャで遊んでいた。
夏休みは続いていた。蒸し暑い夜。家族もみんな揃い夕食を食べる。母と兄二人と自分。四人家族だった。
父と母は僕が産まれる前に離婚した…
だから産まれて一度も父には会っていない。
僕にとっては、母が父であり母親だった。
楽しい食卓
ふいに外からドン…ドン…と打ち上げ花火の音が聞こえた
僕と長男の兄二人で外に出て音がする方角を探す…
でも残念ながら、家の近くにある小高い山のせいで花火は見えなかった。しょうがないので兄と話しながら二人で蒸し暑い家より外の方が少し涼しかったので、屋上で一休みしてた。沖縄では家の屋根は平たい家が多い、大抵どこの民家にも屋上があり、洗濯物などを干している。家もそんな感じだった。
低く平らな家が多いのは台風の多い沖縄ならではである。
ま、そんな話はさておき、屋上で夕涼みをしながら、花火の音を聞いてる時、ふいに山を見ると僕は腰を抜かしそうなくらいビックリした‼
小高い山の頂上に近い所に目立つようにひとつ木がある
その横に木と同じくらいの大きさの周りの夕闇よりも真っ黒なほんとうに漆黒といってもいいほど黒い渦のようなものがあり、ソレには赤色の目が二つ…かなりの大きさである。
最初木の影かなんかだろう…と、自分に言いきかせ、兄の方を見てひたすら花火の話をしていた。でもやっぱり視線を感じ、もう一度見てみた…すると、そこにはいつもと変わらない景色と木が一つ。やっぱ見まちがいだと思い兄に振り返る。
…
兄はどうした?って感じで僕を見てる。
でも僕は兄の肩の先に見える空を見ていた。そこには、さっき見た黒い渦とその真ん中に赤色に光る二つの目…明らかに僕を見ていた。怖くて怖くて震えた声で兄に尋ねる…『あ…あれ…あれ…なん…なに?…』指を指す。兄は振り向く、
兄『…』
僕『さっきは山の上の木の近くにいたのに…』
兄『お前、さっきから何言ってるの?』
僕『はあ?!アレだよ?!あの黒い渦!!赤い目が光ってる!』
兄『前から馬鹿だと思ってたけど。ついに頭壊れたか…』
[兄には見えてない]そう思った僕は家に逃げるように入る!!そして母と次男の兄に叫ぶ!!
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