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墓…沖縄の墓は独特な形をしています。女性の子宮を型どった作りなんだそうです。『産まれた場所へ還る』という意味があるそうな…それに加え墓の大きさは家柄の大きさの印、ぶっちゃけ金持ちの墓とかは三階建ての家並にでかくて広い造りになってます。
僕の家の近くは墓がたくさんありました。
(慣れてて全然怖くなかったけどね。)
小学校三年生くらいの出来事。昼間友達と墓の近くで遊んでた時のこと。一つの道を挟んで、墓側、住宅地と分かれていて、住宅地側の道で僕らは遊んでました。そこにはちょうどトラックが停まっていて、鬼ゴッコ&隠れんぼ通称[オニカク]をしていた僕らは、鬼役はトラックで数を数え、隠れ役はその間に民家や墓場で隠れたりしてました。
その時、僕は隠れ役でした。いつまでたっても探しにこないので、おかしいな?と思い、皆もそう感じたようで静かに鬼の様子を見に行きました。
鬼役の男の子のN君は震えて泣いてました…
『ど~した?』と、僕や皆がたずねると…
N君はトラックの窓を指さし、事の成り行きを泣きながらはなしました…
皆は目を大きく開いて恐怖してました。
N君の話は、皆が隠れる所をズルして確認しようと、トラックの窓ガラスを使って見ていたそうで、そして…ある事に気付いた。墓の上に誰かいる?N君が良く見てみると墓の上でお坊さんがあぐらをかいてまるで何かに祈るように数珠を持って座っていたと…そこまではN君も真っ昼間という事もあり別に気にしてなかったそうで、ただ…数を数え終わり振り返ってみると、墓の上には誰もいなくて、もう一度トラックの窓ガラスを見てみると、やっぱり墓の上にお坊さんがいて、振り返るといない…それがこの世の者でないと知ったN君は怖くて皆を捜しに行けず、トラックの片隅で泣いていた…という話でした。
皆はその話を聞いて、トラックの窓ガラスと墓の上を見に行きました。
でも皆何も見えず、首を振ってました。中には『墓場を捜すのが怖くて泣いたんだろう』って言い出す始末。
その時、僕はN君に自分自身を重ねてました。『僕は信じるから…』とN君に言って僕もトラックの窓ガラスを見てみたら…そこには本当に確かにお坊さんが墓の上に座っている姿が映りました!そしてさらに、振り返って見てみるとそこにはお坊さんがいたんです!僕はどうしても気になったのでお坊さんに『何してるんですかー?』と聞いてみました。
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