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搬送先に向け救急車はサイレンを鳴らし、走り出した。
姫の手を強く握り、ずっと呼び掛ける。
姫は酸素マスクを付けられ、相変わらず反応が無い。
しかし、いつの間にか目は閉じていた。
救急隊員が瞳孔などを確認。
その間も…
いつこの様な状態になったのか⁉
痙攣は何分ぐらい続いたのか⁉
など色々聞かれた。私は震えた声で懸命に答えた。
隊員に何も聞かれていない時は、必死に姫の名前を呼んだ。
どこの病院に行くのか、今どこを走っているのかなど、気にする余裕も私には無かった。
その時‼
『ピーッ』
今でも忘れもしない、嫌な機械音…
その瞬間、隊員が慌ただしく動きだした。
私は何が起きてるのか分からなかった。
だけど、最悪な状況になった事は、予測がついた。
姫の顔を見ると、もう顔色が土色だった…
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