忘れてはいけないものを忘れたまま

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それでも、私は私自身のことをなんとも思わないんです。鏡で見ても大丈夫です。そりゃ、私は私ですから、当然と言えば当然ですけどね。それから弟も平気だし、パパも平気だし、ママもママのままです。…たまたまダジャレになっちゃいました(笑)。……本当にたまたまですよ!?まぁ、それはさておき、私が思うに、これは何らかの精神的な異常の発作、もしくは脳の認識能力の異常の発作が原因だと思うのです。別に、思い返しても、社会に対してトラウマのようなものは見当たらないし、人間を嫌悪するようなことだって、たまには嫌な事件とか見るとかして、嫌な人間もいるなぁとは思うけど、それって人並みのことだと思うし。とにかく私はおかしくなっちゃったようなのです。人間が怖いんですよぅ。 それにしても、私のこの話、何かに似てると思いません?グレゴール・ザムザって名前を思い浮かべたあなた、私はあなたのことを人間として見ることが出来るでしょう(笑)。そうです。世界文学の名著「変身」です。もちろん著者はカフカです。一応補足をしておくと、主人公であるグレゴール・ザムザは、朝起きると自分の異様さに気が付いた。なんと一匹の巨大な虫に変わっていたのだ!…というお話です。 私は虫になってませんけど、周りの人間が虫になっていた!みたいな。まぁ実際虫になったわけじゃないけど、それくらい気持ち悪い存在になっちゃったんです。カフカの「変身」の逆バージョンですよね。 まぁそれはさておき、一体どうしましょうね。寝れば治るかしら(笑)。
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