いつもの光景

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「はぁ…」 俺はため息をついていた。 高校も二年生になり、只今テストの真っ最中。 あの出来からすると、恐らく結果は散々だろう。 「ちっ!霞からの勉強会、断るんじゃなかったな」 霞(かすみ)というのは幼なじみの同級生。 買い食い等も許さない、いわゆる優等生だ。 「しかし、雫と澪には負けたくねぇ…くそっ!」 雫(しずく)というのも幼なじみ。 こちらも同級生だ。 二人とも家が近所で、俺達の中で雫は、トラブルメーカー。 いや…変人か… 澪(みお)というのは、一年前に異世界にいった時に、こっちの世界にくっついてきた同い年の女の子。 元々頭が良いために、すぐにこちらの世界に馴染み、勉強も霞に教わった為、成績も上位だ。 今澪は、霞の家でお世話になっている。 「お兄ちゃ~ん!」 俺は振り返る。 霰(あられ)が走ってきた。 霰も異世界からついてきた一人。 俺の家で世話をしている。 可愛い妹の様な存在だ。 「お兄ちゃん、今帰り?一緒に帰ろ♪」 俺を見つけたのが嬉しかったのか、腕に引っ付いてくる。 俺はもう慣れてしまっていた…
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