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「…あれ?皆は?」
俺は何故か見知らぬ土地にいる。
「なんで俺だけ…?」
疑問も一人むなしく響くだけ…
「くそっ!雫め!俺を勉強させないで、俺より点数を取ろうとは…卑怯なり!」
周りに誰も居ないからつい、叫んでしまう。
ガサガサ…
音がした。
今居る場所は比較的文明が高かったのか、ビルや、道路がきちんと整備されていた。
廃墟と化している以外は…
路地からモンスターが現れた。
「懐かしいな…この感じ…スキル『術剣技』」
俺は叫んでみた。
スキルというのは一年前に得た力、それを発動される前の準備段階の事。
叫んだはいいが、何も起こらない。
「おいおい…異世界ってあの場所じゃねぇのかよ!」
俺には逃走しか手段はない。
元勇者の悲しい逃走だった。
はぁ…はぁ…
俺は息を切らして走っていた。
敵のモンスターは足が遅く、完全に撒いたようた。
「くそっ!雑魚と思われるやつから逃げるとは…」
多少あった自信は粉々だった
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