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堤防から打ち寄せる波を、ただ見ていた。
私『大好きな、この海と共に滅ぶなら、もう悔いはない、男魂…
じいちゃん…私を迎えに来てね?』
そして目を閉じた。
海鳴りに引き寄せられるように、体がグラつく。
私『…さよなら…』
そう呟いた時、芳田さんの車が私の横にきた。
芳田『何やってるんや!!自分、親から授かった命、恩返しもしないまま捨てるんか!!!このアホが!!』
いつも優しかった芳田さんが、私を怒鳴り、引っ張叩いた。
私『どうして…』
私は叩かれた頬を押さえながら言った。
私『どうして死なせてくれないの!!?
私は楽になりたい…
楽になりたいの…』
その言葉を言って、私は泣き崩れた。
芳田『…ほんま…まーゃはアホやな…。楽になるには時間がかかるんや…一緒にいてやるから…生きろ!!』
芳田さんは泣いていた。
そして、私を強く抱きしめた。
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