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王妃は静かにイロヒメの髪をときながら尋ねました
「ヒメ、色が好きなのかしら?」
イロヒメはにっこり黄色い笑顔を浮かべて
「好きよ」
王妃は静かに髪をときつづけています
「全部の色が私のものになればいいと思うわ」
王妃の手が止まったので
イロヒメはきょとんと
空に浮かぶ雲のような
顔をして王妃を見ました
そして
「母さまはどうして、そんなに
灰色なドレスで満足できるのかしら?」
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