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1997年…3月…
佳祐「しっかりしろ!!」
俺は繭の体を抱き起こした。繭がゆっくり目を開ける。
繭「…佳祐…君…?」
佳祐「ああ…そうだ…」
繭「よかった…無事で…」
佳祐「どこを撃たれた!?」
俺は彼女の白い肌にポツンと穴が開いているのを確認した。
繭「…ゴメンね…佳祐君…」
佳祐「なんで謝るんだよ!!繭…死んじゃダメだ!」
俺は半分、涙声になりながらも叫ぶ。
繭「もう…ダメだよ…痛みが…無くなってきた…」
繭の顔がどんどん血の気を失っていく。
佳祐「何言ってんだよ…?まだ死ぬには早過ぎんだろ!!」
繭「そう…だね…」
繭がゆっくり目を閉じる。
繭「佳祐…君…」
佳祐「…なに…?」
繭「…必ず…夢香ちゃんの…為にも…生きて…約束だよ…?」
佳祐「……わかった…わかったから…死ぬなよ!!」
繭「ずっと…言えなかった…
…好きだよ…」
繭の体から力が抜けていった。
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