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僕は内心ほっとした。
このまま鳥の巣に連れてかれてたべられるのかと思ってたから。
「そういえば、おじさんなんて名前なの?服装も独特だし。」
その男の人は服…というより毛皮をそのまま巻いているだけのようだった。
身長も二メートル近くあるように見えた。年は四十くらいだろう…
「俺か?俺はシャンってんだ!よろしくな!ええと、有馬勇気くん。」
「こちらこそよろしく、シャン!」
僕はふと疑問を感じた。
ぼく、なまえおしえたっけ?
「ぎゃははは!教えられてねーよ!」
心を読まれてる!?
「そうだ!俺は人の心を読める!それにテレパシーも使えるんだ。俺がさっきから一言もしゃべってないのに気づいていたか?」
ぼくはシャンの口元を見たが口が動いていない。
するとおもむろに口を動かし始めた。
「あれ、」
パクパク
「声が、」
パクパク
「遅れて聞こえるぞ。」
これじゃあ腹話術師も太刀打ちできないな、と思いながら笑った。
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