僕が…

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二人で町中を歩いていると「ドロボー!」と言う声と共に高そうな鞄を持った男がこっちに向かって突進してきた! 「どけー!」 と言いながら男がつっこんできた。 あまりに突然のことで足が動かなかった。 どん! 男がまみにぶつかった。 倒れた。…男が ぶつかられたまみはと言うと突っ立ったままだ。 有り得ない。180はあるこの男に150ちょっとしかないまみが、ぶつかって勝てるわけがない… 「どけ!」 男は再び立ち上がり走り始めた。 僕はその男を追いかけ始めた。 路地裏にはいったとき、突然体が軽くなった。訳も分からず手を伸ばすと男の腕をつかんだ。 そしてそのまま男を引き倒した。 男は反対側から来た警官に逮捕された。 まみのところに戻ると、まみが 「あの人どうやって捕まえたの?」 と聞いてきたが 「わからない」 と答えた。と言うより、こう答えざるを得なかった。 「今日は帰ろっか…」 と僕が言うとまみが黙って頷いた。 ヒーローになったのに晴れぬ気持ちでいっぱいだった。 自分がやった気がしなくて…
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