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町外れの人気のない場所に"それ"はあった。 "繋ぎの屋敷"。 何故かはよくしらないが、昔から人々がそう呼んでいるので僕らもそう呼んでる。 ホラー映画なんかに使われてもおかしくないほどの見るからに何か出そうな屋敷だ。 壁にある無数の窓は割れ、屋敷のいたる所にある蜘蛛の巣が長年使われていない事を物語っている。 三階に上がる途中で何故か切れている螺旋階段。 落下している豪華なシャンデリアからよほどの金持ちが住んでいた事がわかる。 とてつもなく大きなボロ屋敷で、昼間は僕ら中学生の間ではちょっとした探検場にさえなっている。 この屋敷ではおかしな噂も絶えない。 夜中に誰も住んでいないはずの屋敷の窓から光がもれていた 中から幽霊がでてきた などなど。 このいわく付きの不気味な館。 名前や噂にはやはり根拠があるものだ。 この屋敷には "白と黒の門" と呼ばれる二つの開かない扉があった。 いろんな噂が飛び交う扉の向こう。 僕らはこの中の秘密を、そして失った友を求め冒険を始める―。
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